欧州が輸出を禁じている「ヨーロッパウナギ（欧州ウナギ）」を、日本が中国から大量に輸入していることが7月24日に分かった。中国が規制の前に欧州から稚魚を仕入れたとしても、稚魚が3年半以上養殖されて出荷されるのは不自然だとして、水産庁は中国政府に対して調査を求める方針を固めたという。ヨーロッパウナギは、ワシントン条約で絶滅の恐れがある生物に指定され、2010年12月以降、欧州が輸出を禁止した。中国は大量のウナギの稚魚をフランスから輸入しており、中国政府は「規制前に輸入した稚魚だ」と説明していたという。しかし、養殖期間は国内では１年。中国は平均２年と主張しているが、規制前に輸入した稚魚なら3年7か月も養殖したことになる。中国は「規制前に輸入した稚魚が2013年に成鰻となって出荷されることはありうる」と説明してきたが、規制後に稚魚が闇ルートを使って不正に欧州から中国に渡っている可能性が指摘されている。近年、国産のニホンウナギの高騰が続いており、多少安くほとんど味の変わらないヨーロッパウナギを中国から輸入する業者も増えているという。中国の主張する長期間の養殖はあり得ないとする専門家などからの指摘もあり、水産庁も「養殖期間があまりに長い」と判断。中国政府に対して詳細な調査と説明を求める方針だ。
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